小代焼ふもと窯 井上尚之展 2025年11月

小代焼 ふもと窯 井上尚之展 2025年11月
Shoudai yaki Fumoto gama Naoyuki Inoue

待ち遠しかった秋も深まり、朝夕の冷え込みに冬の気配を感じる季節になりました。
お気に入りのマグカップに温かい飲み物を注ぐ。そんなひと時がたまらなく好きです。

熊本・荒尾で約400年の歴史を持つ「小代焼」は、鉄分を多く含む土と藁灰や木灰の釉薬から生まれる、素朴で力強い器が魅力です。1968年に井上泰秋さんが府本に窯を移し「ふもと窯」と改め、松薪を燃料に伝統の技を守り続けています。

そのふもと窯で活動する二代目・井上尚之さん。1975年生まれ、熊本デザイン専門学校を卒業後に小石原焼の太田哲三氏に師事し、2000年から父 泰秋さんのもとで制作を続けています。日本民藝館展や西日本陶芸美術展に入選し、ヨーロッパで発展したスリップウェアの技法を取り入れた器づくりで知られています。

スリップ(泥漿状の化粧土)をスポイトや筆で描き、自然な流れや重力を活かして生まれる模様は、大胆でありながら繊細。手に取ると土の温もりや遊び心が伝わり、暮らしに彩りを添えてくれます。今回のラインナップには、コーヒーやお茶を楽しむカフェタイムにぴったりの器が揃いました。

尚之さんの器は、見た目だけでなく使い心地の良さも抜群です。特にマグカップの持ち手は指にしっかり馴染み、毎日使いたくなる心地よさがあります。造形のバランス感覚、釉薬やスリップの表現、そして日常に寄り添う実用性。そのすべてが魅力です。暮らしを豊かにしてくれる井上尚之さんの器を、ぜひ実際に手に取ってお楽しみください。